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塩害

はじめに

土壌・地下水・表流水(陸水のうち河川、湖沼の水のようにその存在が完全に表地面にあるもの)の溶解性塩分が、世界中で大きな土地荒廃問題となり、経済的・環境的コストがかかっています。これには、農業生産量の減少、飲料水や灌漑・産業用の水質の低下、都市部の基礎施設への損害、地上・水中両方の生態系における生物多様性の損失などが含まれます。

風力・水力による土地浸食のような多くの土地荒廃過程と同様に、塩害も自然の作用です。しかし、開拓や灌漑のような土地利用が原因となり、この問題は深刻化しました。

アメリカ合衆国農務省によると、世界中で1000万ヘクタールもの耕地が灌漑塩害のために毎年失われているそうです。オーストラリアでは、約240万ヘクタールの土地が塩害によって影響を受けていて、570万ヘクタールがさらに塩害の危機にさらされています。今後30年から50年の間に、オーストラリアで塩害で荒廃した土地は、現在の6倍になるかも知れないといわれています。

塩害とは?

塩害とは、溶解性の塩分が土壌や表流水と地下水を含む水に存在することを示します。塩分には塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、炭酸塩、重炭酸塩、硫酸塩など様々なものがあります。

土壌や地域によっては、自然に塩分濃度が高いものもあります。例えば、内陸の塩湖やもともと塩分の高い土壌母材(土壌をつくるもととなる風化岩石や石礫・砂泥・火山灰・有機物などすべての材料)から形成された土壌などがあります。これは、自然的または一次的塩害と呼ばれます。

二次的塩害は、土地開拓や灌漑のやりすぎなど人間の活動によるものです。このような活動によって、地下水は地表近くに上昇し、塩分を溶解し、そして土壌に塩分を蓄積させます。地下水とは、水で飽和状態になった地層のことを言い、地上から土壌深くまで浸透した水が、透過性がない地層や岩層(岩盤)によってそれ以上深く浸透することができなくなったためにできるものです。

塩分はどこから来るのか?

塩分は、多くのよく風雨にさらされた古い土地で見つかり、以下の過程でできます。

  • 岩石に含まれる鉱物の風化。

  • 風や雨によって海の塩分が土地に沈着すること

  • 海洋堆積物でできた土壌が、海の後退によって地上に現れたもの。

以上のような過程が起こらない土地では、塩分の大部分は、下層土にゆっくりと浸透していくので、植物の根には届きません。

塩害には、乾燥地塩害と灌漑塩害の主に二種類のものがあります。オーストラリアでは、220万ヘクタールの土地が乾燥地塩害の被害を受けていて、16万ヘクタールの土地が灌漑塩害による被害を受けました。

乾燥地塩害

乾燥地塩害の原因
Salinity layers. Image by Information for Action, a website for conservation and environmental issues offering solutions

土壌と表流水の塩害は、地下水系に入る水(涵養という過程による)の量が地下水系から出る量よりも多い時に起こります。この地下水の入出のバランスの崩れにより、地下水面は上がります。地下水面が上昇するに従って、地下水は下層土の溶解性塩分を溶かし、塩分濃度の高い水が植物の根に届くようになります。水の蒸発と植物による水の取り込みによって、表層土の塩分が濃縮され、そこにとどまります。

地下水面の上昇の主な原因は、根の深い多年生の在来種の植物を伐採して、根の浅い一年生の作物や牧草に置き換えることです。これらの導入された植物種は、在来の植物ほど水を必要としないので、地下水の涵養が増えて、地下水面が上昇します。

土地の開拓は、過去も現在も乾燥地塩害の原因です。土地の開拓後、乾燥地塩害が起こるのに普通約30年かかります。しかし、もっと早く乾燥地塩害が起こる所もあるかも知れません。

乾燥地塩害はなぜ問題か?

塩害の最も明白な問題は、土壌の塩分濃度が高まることにより農業生産が減少することです。土壌中の高濃度の塩分は、植物にとって毒で、植物による水の取り込みを抑制し、植物がカルシウム等の必要不可欠な栄養分を取り込むことを妨げます。

農業生産高の減少の他に塩害は多くの問題を引き起こします。それらの問題には次のようなものがあります。

  • 飲料水や農業用、産業用の水を供給する地下水の帯水層やダムの塩害

  • 農場や町の基礎施設ヘの損害。施設の中には、道路、建物、柵、鉄道、水道管、水供給システム、家、ガス管、ガス供給システムなどがあります。

  • わずかに残存している低木林や川岸の植生や湿地の荒廃や、風や水による侵食などによる土地の荒廃によって、生物種の多様性が失われること。

このような経済的環境的コストの他に、塩害は社会的コストも引き起こします。このコストには例えば、家族の農場が破産して、その農場が次の世代に受け継がれないかも知れないという可能性に直面することによって起こる、感情的健康的コストがあります。

乾燥地塩害に対する処置

水の動きが塩分の移動を制御するので、乾燥地塩害は基本的に水のバランスの問題です。地下水への過剰な涵養が地下水面の上昇を引き起こし、溶解された塩分を地表へと移動させるのです。従って、塩害への処置とは、主に地下水の涵養を減らすことになります。

塩害の問題は解決がとても難しいです。なぜなら、

Salinity layers. Image by Information for Action, a website for conservation and environmental issues offering solutions
  • この問題は複雑です。

  • ひとつの地域で効果的な処置は、他の地域では通用しないかも知れません。

  • 塩害の管理費用は高い。

  • 今日始まった処置が効果を示すのに何年もかかるかも知れません。

塩害の管理には、残存する植生の保護、農耕学的解決策や、工学的解決法等、いくつかの方法があります。いくつかの管理方法を組み合わせることが塩害管理に一番現実的な策だと一般に考えられているようです。

1. 残存する植生の保護

残存する植生を保護することによって、涵養が制御されるという利点の他に、またその土地の生物多様性や遺産としての価値を維持するという、付加的な利点もあります。

2. 農耕学的解決策

乾燥地塩害への農耕学的処置には以下のものがあります。

  • 作物の植え付け時期を好ましい天候や土壌条件に合わせるようにする機会的または反応的植え付け法等の方法を使って、伝統的作物や牧草の栽培法を改良する。

  • 農場の輪作にいくつかの根の深い植物種を含む多年生の作物や牧草を導入する。このような作物は、土壌のより深いレベルで一年中水を必要とするので、水の地下への浸透を防ぐ。

  • 雨水をさえぎり、浅い淡水の地下水を使うために木を植える。

農耕学的解決策の主な問題は、すでに出来上がった農業システムに新しい種の作物や牧草や木を導入することです。これは、新しい農業機械を必要としたり、農民は新しい技術を開発しなくてはならないことを意味するからです。さらに、新しい作物が市場に受け入れられるかどうか分からないという問題と、雨量の少ない土地で栽培できて商用的に価値のある作物が無いことなどが、問題として挙げられます。

もうひとつの管理方法として挙げられるものに、塩害にあった土地で塩分耐性のある草や低木を栽培する高塩地での農業があります。涵養のひどい地域で塩分耐性のある植物を栽培することは、塩害が広がるのを防いだり、高塩地の景色を良くしたり、侵食を防いだり、塩分耐性のある草や低木からいくらかの収穫を上げるのに重要な策です。高塩地農法は、現在存在する高塩地を管理するための重要な策ですが、地下水の涵養の管理に対する貢献度は低いです。

3. 工学的方法

Salinity layers. Image by Information for Action, a website for conservation and environmental issues offering solutions 平坦な低地は特に塩害にやられやすいので、小道、水路、段々畑などを組み合わせて使うことによって塩害を防ぐことができるかも知れません。 その他の工学的方法は以下の通りです。
  • 表流水を排水することによって洪水や湿害を防ぐ。

  • 塩分の高い地下水を排水することによって地下水面を低くし、湿害を緩和する。

  • 淡水の地下水をポンプで汲み上げることによって地下水面を低くし、乾燥地塩害の問題を防ぐ。

排水は、水を問題のあるところから効果的に取り除くので、またその水が飲めるものである限り(淡水)農業用の水を補給するので都合が良いです。しかし、工学的な事業は、設備を備え付けたり、作動したり、維持するのに高額な費用がかかり、塩分濃度の高い水を環境を損なわないでどこに捨てられるかという問題があります。

灌漑塩害

灌漑塩害の原因

灌漑塩害は、灌漑された表土に塩分が蓄積することです。これは、農耕地の灌漑のやりすぎや、水の非能率的な利用、不十分な排水、灌漑に不適切で「漏れやすい」土壌の灌漑によるものです。以上の原因のすべては地下水の涵養を増加させて、地下水面を上昇させ、塩分を土壌の表面に運びます。この問題は、低質な(つまり塩分が高い)灌漑水を使うことによってさらに悪化します。蒸発と植物による水分の取り込みは、水分を取り除き塩分を土壌に蓄積させるので、ほんの少しだけ塩分のある水でも塩害の原因となります。

灌漑塩害に伴う問題

灌漑塩害は、乾燥地塩害と同様な問題を起こします。

Earth and salinity. Image by Information for Action, a website for conservation and environmental issues offering solutions
  • 農業生産高を減少させる。

  • 灌漑用機器を含む農場や都市の基礎施設ヘの損害。

  • 地下水と表流水の質が下がる。

灌漑塩害への処置

乾燥地塩害のように、灌漑塩害も水のバランスの問題で、地下水の涵養を減らすことによって管理できます。

  • 滴下灌漑や、いつ土壌が灌漑を必要とするか調べるために土壌の水分を測定したり、植物の水分の必要性にあった灌漑方法等で灌漑のやりすぎを避ける。

  • 根の深い作物や牧草を使って、水が深く浸透することを防ぐ。

  • 塩害に侵された土地で塩分耐性のある植物種を栽培する。

  • 水が土壌深く浸透するのを防ぐための地下排水や、地上の流水を集めるための地上排水や、地下水のポンプによる汲み上げ等の工学的解決策

工学的な方法や他の方法を組み合わせた方法を広い地域に適用することが通常必要です。

リンク:

参考文献

水中の塩分濃度に関する環境団体をデータベースから検索してください。


水中の塩分濃度について : 日本: 政府

日本: 政府

 
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